絵本と 子どもと ゆる親業

   2男2女を育てる40代母* 現在、読み聞かせボランティアとしても活動中              

心にそっと寄り添ってくれる絵本【わたしのそばできいていて】

 

 【わたしのそばできいていて】 

作:リサ・パップ 訳:菊田 まりこ

出版社: WAVE出版

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字を読むのが 大嫌いな女の子が、

いつも静かに寄り添ってくれる 

もふもふ わんこに勇気づけられて、

ゆっくりと苦手を克服していくお話。

 

なぜだか私は、読むたびに、

いつも泣きたくなってしまう絵本です。

 

あらすじ

マデリーン・フィンは、字を読むことが大の苦手。学校の国語の時間に、音読をあてられても、うまく読めません。つかえるたび、まちがえるたびに、クラスのみんながくすくす笑う声がきこえてきて、逃げ出したくなるのです。そんなとき、図書館で1ぴきの大きな白い犬と出会います。犬はマデリーンがどんなにつかえても、まちがえても、笑うこともせかすこともしないで、じっとマデリーンが本を読むのをきいてくれます。マデリーンも少しずつ、本を読むことが楽しくなり――。WAVE出版「わたしのそばできいていて」内容紹介より

 

セラピードッグ

 

絵本の原題は「the Library Dog」

 訳すと、「読書介助犬

 

読書介助犬というのは、

アニマルセラピーの一種です。

 

子どもが 犬に本を読み聞かせる

「R.E.A.Dプログラム」は、

 

読書への苦手意識や、

コミュニケーション不安の 克服を目的に、

 

アメリカやヨーロッパの図書館で、

実際に行われているそうです。

 

犬たちは、

読み間違っても 指摘しないし、

急かさない、叱らないし、

ただ じっと聞いていてくれるので、

 

その 安心感が、

子どもたちには 心地よく、

自信や自己肯定感が 育つのだそう。

 

対象年齢

 

こ絵本の 対象年齢は、

3歳 4歳 5歳 〜 と記されています。

 

動物好き、わんこ好きな子や、

本好きな幼児さんに おすすめ。

 

内容としては、

学校生活のお話が軸になっているので、

 

"まちがえたら、失敗したらどうしよう"

っていう経験を たくさん積んでいる

 

小学生以上の子の方が、

登場人物の想いに より深く共感しながら、

読むことができるかなぁと思います。

 

絵本の感想

 

緊張と不安で、

小さく縮こまっていたマディの心が、

 

おそる おそる、

少しずつ ゆっくり ほどけていく過程が

とても丁寧に書かれていて、


"できたよ"って喜びがあふれる姿には、

本当に 胸がいっぱいになります。

 

さらに、

やさしく おだやかなイラストが、

言葉もなく 見守ってくれる犬のボニーの

温かさを  余すことなく表現していて、

 

この絵本自体が、

読む人の 心にそっと寄り添うような、

ほっとする ぬくもりを与えてくれます。

 

 

「まちがえたって、

 ゆっくりだって、だいじょうぶなんだよ」

 

ごくごく当たり前のように、

大人たち みんなが 口にすることだけど、

 

実際、子どもたちが、

それを 心の底から実感できる瞬間って、

毎日の生活の中で、どれだけあるんだろう?

 

ただ静かに 寄り添ってくれる存在が、

どれだけ ありがたいか...

 

そして、

ただ静かに 寄り添うということが、

どれだけ難しいか...。

 

ボニーの姿は、

私の理想型だなぁと つくづく思います。

 

それから、思うこと

 

絵本のマディは 苦手を克服したけれど、

 

別に 今、

克服したいと思っていない人は、

「克服しなくても、だいじょうぶだよ」

とも、個人的には 思います。

 

誰かに評価されたり、

点数や順番をつけられるために、

学んでいるわけではないのだから...。

 

やってみようと思えたタイミングで、

やってみたいと思ったことに、

思う存分、挑戦してみたらいいと思います。

 

きっとボニーは、

たとえ マディが苦手克服に挑まなくても、

そっと寄り添って

そばで待っていてくれたんじゃないかなぁ

と、勝手に 想像しています。

 

今 、

辛さや苦しさを抱えている子が、

ひとりでも多く、

 

マディみたいに、

ゆっくりとでも一歩を踏み出せますように...

 

 

【わたしのそばできいていて】

できないこと・まちがえることがこわい、

すべての子たちにーー。

図書館でであった犬が教えてくれた

[まちがえたって だいじょうぶなんだよ]って

~ WAVE出版 内容紹介より ~

 

【いまのわたしにできること】

「わたしのそばできいていて」の続編

図書館から子犬をもらってきた マディ。

そんなとき、

人に捨てられた動物たちがいることを知り…

前回、犬の存在に助けられたマディが、

今度は助ける側になって 成長していくお話

 

【わたしは あなたを しんじてる】

さらに続編。

図書館からもらってきた犬 スターと一緒に、

セラピードッグを目指して練習を重ねるマディ。

そっと寄り添うこと… 相手を思いやること…

自身の経験も踏まえて、

一段と成長していくマディの姿が頼もしい。