日本の伝統的なストーリーテリング
(traditional Japanese comic storytelling)
【落語や狂言】を元にした
じわじわと面白さがこみあげてくる絵本
11冊の紹介です。
〔PR〕狂言えほん かきやまぶし
作:内田 麟太郎 絵:大島 妙子 出版社:ポプラ社
今回は 出来るだけ、
時代背景などの予備知識や
補足がなくてもお話が分かるもの、
子どもになじみやすいテーマ、
言葉のリズムや勢いが楽しいもの、
そして、
子どもにもオチが分かりやすいもの、
…を中心に選んでみました。
寿限無 声にだすことばえほん
作: 齋藤 孝 絵: 工藤 ノリコ
出版社: ほるぷ出版
工藤ノリコさんのイラストが、
子どもたちの興味を惹きつける!!
名づけのシーンなど
お話そのものは 少し割愛されていて、
長~い名前の部分をクローズアップ。
声に出す/暗唱する面白さを楽しむ絵本♪
ちゃっくりがきぃふ らくご絵本
作: 桂 文我 絵: 梶山 俊夫
出版社: 福音館書店
"お茶、栗、柿、麩"をザルに入れて、
売り歩くことになった主人公のさきち。
『ちゃっくりがきふー』の売り声で、
町を練り歩くと、その楽し気なリズムに…。
落語らしい お話の流れとオチで、
語感が良いので小さな人にも親しみやすい♪
じごくのそうべえ
作:田島 征彦 出版社:童心社
上方落語の
「地獄八景亡者戯」を題材にした絵本。
恐ろし気な表紙やタイトルとは裏腹に、
軽快な関西弁でぽんぽんとお話は進む 。
そうべえが大立ち回りするシーンでは、
おならや くしゃみも 続々出てきて、
子どもたちは大爆笑!!
親子で楽しめる 圧巻のロングセラー
狂言えほん ぶす
作: 内田 麟太郎 絵: 長谷川 義史
出版社: ポプラ社
人気の最強コンビがおくる 狂言えほん。
ツボの中に入っている「ぶす」という猛毒。
主人が留守の間に、
どうしても そのツボの中が気になる二人は...
一休さんの「水飴のお話」でも有名。
狂言えほん かきやまぶし
作:内田 麟太郎 絵:大島 妙子
出版社:ポプラ社
柿をぬすみぐいする山伏と、
こらしめてやろうとする地主。
狂言独特の言い回し(かけ声)が面白く、
思い切り笑える 二人のやりとり。
さらに、クセの強い 絵の迫力が、
お話の面白さを増し増しにしてくれる!!
「そろりそろり」等の発祥は、この演目。
落語絵本 てんしき
作・絵:川端 誠 出版社:クレヨンハウス
具合が悪くて 医者に診てもらった和尚さん。
「てんしきはありますか?」と聞かれて、
つい知ったかぶり。その後も 次から次へと、
知ったかぶりをする大人が出てきて…
『てんしき』の正体に、子どもたち大笑い!!
正体が分かったうえで、何度も読みたがる♪
園児さんでも楽しめる のんびり愉快なお話。
(子どもたちが楽しめるようにと、
敢えて本家とは違うオチにしてあるそう)
落語絵本 まんじゅうこわい
作・絵:川端 誠 出版社:クレヨンハウス
自分の嫌いなものの話で盛り上がる若い衆。
松つぁんが怖いものは "まんじゅう"だと言う。
この絵本には、なんと16種類の饅頭が登場!!
昔ばなしとしても 広く愛されていて、
落語の入り口にもピッタリの おすすめ絵本
落語絵本 たのきゅう
作・絵:川端 誠 出版社:クレヨンハウス
芝居が得意な人気役者の「たのきゅう」さん。
母親の病気で、急いで故郷に帰る途中、
なんとも不気味な老人に出会ってしまい…。
ハラハラドキドキするけれど、
少しの偶然と、見事な機転で切り抜ける♪
読み終わって表紙を見ると、また面白い!
落語絵本 ときそば
作・絵:川端 誠 出版社:クレヨンハウス
屋台のそば屋と お客さんの軽快な掛け合い。
時を知らせる鐘の音を利用して、
上手いこと お勘定をごまかしたお客と、
それを見ていて、真似をする別の男…。
小さな人には ちょっぴり難しいけれど、
お金を数えるのを よく聞いて、
んっ⁈て気づくと ニヤリとしたくなる面白さ
しにがみさん
出版社:教育画劇
お金がなくて追い込まれていた男は、
死神の助言で、医者を始めることに...。
人の欲望を描いた ブラックユーモアで、
木版画の力強さも この絵本の醍醐味の一つ。
耳に残る 不気味な呪文と手拍子は、
米津玄師さんの楽曲『死神』にも登場!!
ねこのさら
出版社:教育画劇
旅の道具屋と お茶屋のご主人の駆け引き。
高価なお皿をだまし取ろうと、
口の上手い道具屋の話はトントン拍子に進み
「あれ?」と気づいたときには…???
小気味いいテンポの、ちょっと痛快なお話。
園児からお年寄りまで
読み聞かせで披露するには、
私のレベルがまだまだ足りないけれど(笑)
家で、親子で、楽しむ分には、
江戸っ子口調で思い切り読むと面白い!!
落語や狂言、それに昔ばなしは、
高齢者向けの読み聞かせでも 人気です。
今回の紹介した絵本は、
それぞれシリーズもたくさん出ていますよ↓
【声にだすことばえほん】 PR
落語に限らず、
古典文学や近代文学を切り取った
日本語の面白さを 楽しむシリーズ
【ポプラ社 狂言えほん】 PR
狂言のなかでも特に人気の演目を
内田麟太郎さんが絵本向けにアレンジ
「じごくのそうべえ」の続編もの。
極楽やら 竜宮城やら、
"あの4人"が、あっちこっちで大暴れ。
【川端誠 落語絵本】 PR
"話芸"である落語を 絵本にするために、
とことん工夫を重ねた 傑作のシリーズ
少し難しかったり ブラックだったりで、
面白いけど、今回は紹介を見送ったもの多数。
どちらというと 高学年向け…かな。